- 1.レデース鍼灸*子陵受診までの経緯。
- 2.問診と治療方針。採卵までに卵のグレードを上げる。
- 3.鍼治療を始めてから流産・自然妊娠まで。ERA検査・不育症検査ともに問題なし。
- 4.まとめ。40代の自然妊娠は奇跡ではありません。卵のグレードをご自身で上げる方法。
Iさん 自然妊娠(第一子42歳 施術24回・第二子45歳 施術0回)
2021年に第一子を出産されたIさんが「第二子も自然妊娠で生まれました!」とお子さんといらして下さいました。
第一子治療時は流産を繰り返し、体外受精の移植待ちの間に自然妊娠されました。
「奇跡が起こった!何故?妊娠したのでしょうか」と驚きながらも大喜びされていました。
第一子出産後、育休明けの用意をしている時に第二子の妊娠が判明し、育休も延長。
まさか第二子も自然妊娠するとは・・・最後の凍結胚を移植する時期に悩んでいたので、嬉しい誤算でした。
第一子の妊活で既に40代。体が整うまでに時間が掛かりましたが、出産後も体調を維持されていたのですね。
奇跡は2回も起こりません!コツコツと体を整えた結果です。
凍結していた卵は破棄されたそうですが、
「子育てに余裕ができて3人目も欲しくなってきました」と仰っていました。
是非、3人目も自然妊娠を目指して下さいね😊
1.レディース鍼灸*子陵受診までの経緯。
妊活歴1年。自己流タイミングで流産後、不妊専門クリニックを受診。
AMHが低く卵管癒着もある為に体外受精を勧められる。
採卵前に万全を期したいと当院を受診。
2.問診と治療方針
(採卵までに卵のグレードを上げる。)
生理周期25日。生理の経血が少なく、塊が出る。
これは異形成症候群で子宮円錐切除の手術をされている為に、子宮の働きが悪く内膜が厚くならず、子宮の出口部分が固くなって経血の排出が上手くできていない可能性がある。
子宮内膜を厚くして、子宮の動きを良くする必要がある。
(注釈:異形成症候群とは子宮頸ガンの前段階の状態。原因はHPV感染であり、子宮ガン検診で発見され、自然治癒する場合もあるので経過観察することも多いのですが、経過が悪い場合は子宮円錐切除手術となります。予防にはワクチン接種が推奨されています。)
AMHは1.3 と年齢相応の平均値。AMHよりもFSHやE2の値の方が重要だと考えられるので、こちらは問題なし。
卵管癒着については、一度自然妊娠されているので精子が移動できない程の癒着ではないと考えられる。
基礎体温表を拝見すると、高温期が短くガタガタしている。黄体機能不全の可能性。
黄体を良くするには卵の完熟度(グレード)を上げる事が必要。
黄体ホルモンとは排卵した卵の抜け殻なので、卵を良くすれば殻も良くなり、黄体ホルモンも良く出ることになり、高温期も安定します。
子宮の内膜や卵巣機能の回復を図るためには各臓器に血流量を増やすことをが必要。
しかし、体外受精の採卵が間近なので卵への施術を最優先とし、卵のグレードを上げる事を第一の目標とする。
3.鍼治療を始めてから流産・自然妊娠まで。
(ERA検査・不育症検査ともに問題なし。)
3回施術後、6ケ採卵し4ケが胚盤胞凍結出来る。
5回施術後、生理の状態が良くなる。
(鮮血・サラサラ・塊なし・パッと始まり、サッと終わるのが理想です。)
7回施術後、移植するが結果が出ず、ERA検査を受けるが問題なし。
(注釈:ERA検査とは子宮内膜着床能といい良好胚を移植しても妊娠反応が出ない方が勧められる検査。着床の窓がずれている事が原因と考えられ、薬で時間のずれを調整して移植します。)
13回施術後、移植・陽性反応は出るが化学流産。不育症検査を受けるがこちらも問題なし。
16回施術後、流産。
会社での健康診断があり、体外受精をお休み中に自然妊娠。(24回施術)
2674gの女の子が誕生する。
約2年後、2人目の妊娠が発覚し3126gの男の子が誕生。
第一子、第二子ともに陣痛から3~4時間で出産。
4.まとめ。
(40代の自然妊娠は奇跡ではありません。卵のグレードをご自身で上げる方法。)
初診で当院にいらした時に自然妊娠できると確信しておりました。
ご本人にはお伝えしたのですが、信じてもらえませんでした。
因みに『厚労省の母の年齢』と『日本生殖医学会の治療成績』を比較してみて下さい。
50代での自然妊娠が多いことが分かります。
年齢を重ねると若い時よりも血流量が減り、お顔にはシミや皺ができます。
同じ様に卵巣や子宮も血流量が減り、元気をなくしているだけなので、本来の血流量を取り戻せば妊娠は可能です。
ただ子宮に比べて40代は卵巣を良くするのに時間が掛かります。
原始卵胞は約200日かけて排卵する為です。
実際、Iさんは7周期目で自然妊娠されました。
Iさんの場合はBMI値は22と理想的で、背中の色艶も良かったので栄養状態は良く自然妊娠は可能と感じました。
卵のグレードを上げるために、ご自身で出来ること。
①早寝早起き。寝ている間にホルモンバランスが整い卵も育ちます。
②バランスの良い食事。細胞は蛋白質でできています。ミネラルは細胞を作る手助けをします。
③冷飲冷食を避ける。体の中を冷やすと血流量も減り、卵巣や子宮に影響があります。
④適度な運動で血流アップ。血流は細胞への栄養です。普段の生活で出来ることを見つけましょう。駅の階段を上る・一駅分歩く・腹筋・電車内でつま先立ち等々。体は妊娠する為に排卵しています。
体を整えて妊娠・出産・安産を目指しましょう。