最近マスコミで「卵子の老化」というテーマが度々取り上げられ、年齢上昇とともに妊娠率や出産率が大きく低下する、と報道されました。この内容に強いショックを受けられた方も多いと思います。当院の患者さんでも、「涙が出た」「最後まで視ていられなかった」「周囲から子供は諦めるよう諭された」などと訴える方がおられます。
確かに、年齢と妊娠率には、ある程度相関関係があり、通常は年齢が高くなるほど妊娠率は低下していきます。その原因として、まず挙げられるのが「卵子の老化」です。
しかし、臨床の現場で強く感じるようになったのが、卵子は「老化する」のではなく、「成熟度が下がる」のではないか、ということです。
例えば、20代の時は100%成熟して排卵していたのが、40代になると80%の成熟度で排卵する。つまり、年齢とともに卵巣の働きが弱くなり、卵胞(卵子)が十分に育たず、結果として卵子の質が低下し、受精しにくくなったり、受精卵の成長が悪くなってしまうのです。
ですから身体を整えることで卵巣の機能を回復させてあげ、卵胞の成熟度を高めれば、卵子の質を上げられる、と考えています。
実際当院では、40代でも普通に妊娠されます(自然妊娠・体外受精問わず)し、40代の出産率も90%です。
そもそも女性は何歳であろうと妊娠するために排卵しているのです。妊娠できるかどうかは、年齢ではなく、卵巣と子宮の状態―『卵子』と『内膜』の質次第だと思います。
排卵している間は諦めないで頑張りましょう。