- 1.レデース鍼灸*子陵受診までの経緯。
- 2.主訴・問診。ストレスによる体調不良。
- 3.治療方針。血流を改善し着床しやすい状態に。
- 4.移植後、化学流産。クリニックを転院。
- 5.卵管切除手術まで行うが妊娠継続せず、不妊治療を諦める。
- 6.不妊治療を諦めて就職、自然妊娠が判明。
- 7.まとめ。ストレス解消して自然妊娠。
Aさん43歳 自然妊娠 施術78回
不妊治療を諦めて4周期後に自然妊娠されたAさんがお子さんと一緒にいらして下さいました。
さっきまで大泣きしていたそうですが、始めての所に興味津々な様子で笑顔も見られます。
鍼治療も止めた後の自然妊娠なのにわざわざいらして頂き有り難うございます。
「授かれたのは鍼で体を整えて頂いたお陰です」と仰って頂き、照れ臭かったです。
卵管切除の手術の後、治療を断念され、手術を勧めた私どもにとって、ずっと気になっていた患者さんでした。
長い不妊治療のご苦労を思い出して、涙が出ました。
Aさん有り難うございます!こんなに嬉しい日はありません🌸
1.レデース鍼灸*子陵受診までの経緯。
結婚12年目。治療歴2年。40歳直前になって不妊専門クリニックを受診。
右卵管水腫。乏精子症との診断もあり、人工授精(AIH)を1回行うが精子の状態が悪すぎるので体外受精にステップアップ。
採卵2回・移植2回行うが妊娠せず、凍結胚が2ケあるがグレードが良くない。
次の移植に向けて体を整えたいとレデース鍼灸*子陵を受診。
2.主訴・問診。
(ストレスによる体調不良。)
生理周期25~27日。2週間前から膵炎を発症し、食欲なし。
不眠・腰痛・生理痛も強く経血に塊が混じる、体調不良の為、妊娠できる気がしない。
凍結胚のグレードも良くなく、この凍結胚で妊娠しなければ、クリニックの転院を考えているとのこと。
卵胞を育てるホルモンFSHの値が21とやや高いが年齢的には問題なし。
基礎体温表の上がり方は良いが高温期がやや短い。
首・肩・背中・腰と全身がカチカチに固い。足首・臀部と冷え、顔色も青白い。
典型的な気血両虚と思われる。
気血両虚とは:
東洋医学的な視点での体質を表す。血液の循環が悪く、全身の血流が滞っている為に手足・内臓・特に胃腸が冷えお腹を下すことも多い。
原因は生活習慣やストレスと考えられる。
3.治療方針。
(血流を改善し着床しやすい状態に。)
全身の状態が悪すぎる。
血流の改善と首や肩にもコリの塊があり、塊の部分は血流が滞っている状態なので、先ず全身のコリを取り除く、生理痛や塊も子宮の血流不足が原因。
凍結胚の移植の為に全身の血流を改善する事を目標とする。
高温期は長く続かず。本来なら10~14日必要だが短く、移植を急ぐ場合は黄体ホルモンの処方が必要とお伝えする。
4.移植後、化学流産。クリニックを転院。
1回施術後、凍結胚を2ケ移植・化学流産。化学流産後の基礎体温表が不安定になる。
5回施術後、胃痛が治まるが胃のツボには硬結があり十分ではない。
クリニックを転院し、次の体外受精に備える。
5.卵管切除手術まで行うが妊娠継続せず、不妊治療を諦める。
8回施術後、FSHが8に下り、10回施術後、E2も上昇し卵胞も20mm超えるが排卵しない為に排卵誘発剤(スプレキュア)を使用して排卵させる。
排卵後の基礎体温表は上昇が緩慢で黄体期も短い。
11回施術後、生理痛・塊が解消。12回施術後、FSHが11となる。
14回施術後、基礎体温表も安定。高温期が初めて14日と続きホルモン値も安定。
しばらく安定が続くが19回施術後、また不安定な状態になり、胃痛も再発。
23回施術後、基礎体温が再度安定し、人工授精(AIH)を行うが精子の状態が不良。
26回施術後、久しぶりの採卵・凍結胚が1ケ出来る。続けて採卵し、凍結胚2ケ出来る。
水腫が治まる。30回施術後、凍結胚を移植・化学流産34回施術後、移植・化学流産。
水腫が再発。その後、無排卵やOHSSなどが続く。採卵・移植を繰り返し、妊娠反応は出るが、妊娠継続出来ず。
水腫が度々再発するために水腫が原因で着床を阻害している可能性もあると、クリニックで指摘され、右卵管を切除の手術をする。
その後も10回以上採卵・移植を繰り返すが、妊娠継続できず。
FSHは1ケタになり、ホルモン値は良いが体外受精に疲れステップダウン。
人工授精(AIH)も5周期行うが妊娠せず。不妊治療を諦めると宣言し、鍼治療も終了する。
6.不妊治療を諦めて就職、自然妊娠が判明。
不妊治療を諦め4ケ月後、専業主婦からフルタイム勤務の就職先を探し、会社の健康診断を受ける。
生理が遅れていたので念のために尿検査を受けると、妊娠が判明。
内診では心拍まで確認される。
7.まとめ。
(ストレス解消して自然妊娠。)
何度も化学流産され、クリニックでは右卵管水腫の手術を勧められました。
ご本人は手術するかどうか悩まれていましたが、私どもは少しでも妊娠継続の可能性が上がるならと、手術をお勧めしました。
これで妊娠の継続は可能と思ったのですが、その後は全く妊娠反応も出なくなってしまいました。
左卵巣からの排卵の場合はAIHも行いましたが、妊娠反応は出ません。
この間、不妊治療は4年に及びご本人も治療に疲れ、「不妊治療は諦めます。」と当院ともお別れしました。
卵管の切除までお勧めしたのに妊娠卒業出来ず。
私たちにも苦い思いが残りましたが・・・・4周期後に自然妊娠!
就職先の健康診断で「妊娠しています」と医師に告げられた時に「私がですか?」と聞き返したとか。
自然妊娠できる体になっていたのに、長い不妊治療で心身ともに疲れストレスが妊娠を阻害していたのだと、強く感じた患者さんでした。
実際、夫の実家に帰省したお正月とお盆の後は胃痛と基礎体温の状態が不安定になり、排卵も止まるほどでした。
不妊治療を止めた後はご夫婦で旅行をして、伸び伸びと生活していたそうです。
精子の状態は悪いことも多かったのですが、毎回悪い方は少数です。
ご夫婦ともに旅行でストレス解消でき良い状態で授かれたのでしょう。
こんな思いがけない自然妊娠って度々起こります。体外受精後の自然妊娠が一番嬉しい!
おめでとうございます。